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コンテナハウスとは?特徴と建築基準法上の扱い
コンテナハウスとは、コンテナで作った建築物のことです。ユニークな見た目と移設の容易さ、用途の幅広さから、住宅での利用からビジネス利用まで、近年人気が高まっています。
海上輸送用コンテナにそっくりの見た目ですが、JIS規格のコンテナは建築基準法を満たした建築資材。そのためコンテナハウスは、土地に定着している場合は重量鉄骨造の建造物となります。ただし、建築用コンテナを使っていても地面に設置しない場合やトレーラーハウスとして利用する場合は扱いが異なります。
コンテナハウスに固定資産税がかかる条件は?
「コンテナハウスに固定資産税はかかりますか」というご質問をいただくことがあります。結論から申し上げますと、コンテナハウスは「建築物」に該当する場合、固定資産税がかかります。建築物に該当しない場合は、固定資産税がかからないこともあります。
そもそも固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や家屋、償却資産などの固定資産を所有している人に課される税金です。固定資産の評価額に1.4%をかけた金額を市町村など地方自治体に支払います。評価額は3年に1度見直されますので、金額も変動します。
固定資産とみなされる要件は次の3つです。
- 外気分断性(屋根や壁で外気と分断されている)
- 土地への定着性(基礎工事などによって簡単に移動できないようになっている)
- 用途性(目的に応じて利用できる状態になっている)
コンテナハウスに固定資産税がかかるのは「建築物」とみなされた場合
コンテナハウスに固定資産税がかかるのは、上記の基準で建築物(固定資産)とみなされた場合です。建築用コンテナを利用していること=建築物とはなりませんが、一般的な建物として利用する場合は、庭に置く場合もビジネス利用の場合も固定資産税がかかります。
コンテナハウスが建築物に該当する条件
コンテナハウスが建築物に該当する条件は、屋根と壁があること・地面に設置していること・目的に応じた利用ができる状態になっていることです。これらを総合的に加味して建築物かどうかが判断されます。
条件 | 課税対象 |
---|---|
基礎工事あり(地面に定着している) | 課税対象 |
継続して居住や事業に利用する予定がある | 課税対象 |
屋根と壁がある | 課税対象 |
基礎工事がなく、牽引可能な状態 | 課税対象外の可能性あり |
一時的な設置 | 課税対象外の可能性あり |
固定資産税がかからない方法
コンテナハウスを固定資産税がかからないように使用する方法は大きく分けて2つあります。
- トレーラーハウスとして使う
- 屋根や外壁を作らないで使う(簡易ガレージなど)
コンテナハウスの良さを生かしながら「すぐに移動できる設置方法にする」「壁の1面〜数面を開放した状態で設置する」などの工夫を行うことで、固定資産税がかからないようにすることができます。
固定資産税の一般的な計算方法
コンテナハウスが課税対象となった場合、固定資産課税台帳に記載された評価額を元に1.4%をかけた金額を支払います。
評価額は実際の建築費のおおよそ60~70%と言われているため、建築費が1,000万円のコンテナハウスであれば、評価額が600~700万円、税額の目安としては「600万円~700万円×1.4%=約8.4万円~9.8万円」となります。
コンテナハウスの固定資産税の減税対策
宅地特例
住宅が建っている土地(宅地)に対しては、条件を満たすと「住宅用地の特例」が適用されます。これによって土地の課税標準(=課税対象となる金額)が大幅に軽減されます。
特例の内容は下記のとおりです。
- 200㎡以下(小規模住宅用地):課税標準が6分の1
- 200㎡超(一般住宅用地):課税標準が3分の1
例えば土地の評価額が500万だとすると、適用前は「500万円 × 1.4% = 7万円」ですが、課税標準が6分の1になった場合「500万×1/6×1.4=11,666円」となります。
新築住宅の軽減措置
住宅用のコンテナハウスの場合、床面積が50㎡以上280㎡以下であれば、新築後3年間(耐火構造は5年間)、固定資産税が半額になる特例が適用されます。
たとえば、弊社のワンデザインクラス(建築費1,000万円、床面積60㎡)では、建築費の約70%(700万円)が評価額の目安となります。
この場合、通常の固定資産税額は「700万円 × 1.4% = 約9.8万円」軽減措置適用後(半額)は「約9.8万円 × 1/2 = 約4.9万円」となります(固定資産評価額は地域や仕様により異なるため、参考値としてご覧ください)。
トレーラーハウスやキャンピングカーの固定資産税
トレーラーハウスの場合
トレーラーハウスは、基本的には固定資産税がかかりません。
トレーラーハウスとは、タイヤがついてけん引が可能で、シャーシの上に建物が載っているものです。エンジンはついていませんので、けん引車がなければそれだけで動くことはできませんが、地面に設置していないため建築物扱いにはならず、固定資産税がかからないことが多いです。
建築用コンテナをシャーシに載せて使う場合はトレーラーハウス扱いになるため、固定資産税がかかりません。ただし、長期にわたる設置やすぐに牽引できない状態での利用は課税対象になる場合もあるため、注意が必要です。
キャンピングカーの場合
キャンピングカーは、自動車ですので固定資産税はかかりません。
トレーラーハウスとよく間違われる例としてキャンピングカーがありますが、キャンピングカーはそれ自体にエンジンがついている自動車で、キャンピングカーのみで動くことができます。自動車ですので固定資産税はかかりませんが、自動車取得税、重量税、自動車税がかかります。