躯体工事の1つ「型枠工事」とはどんな工事なんですか?
型枠工事は鉄筋コンクリートの建築物を造る時に重要になってくる工事です。どんな工事を行うのか工事の内容をご紹介します!
目次
型枠工事とは
コンクリートの型をつくる工事
型枠工事とは柱や梁、床の骨組みとなる鉄筋にコンクリートを流し固まるまでの間、その形を保持しておくための「型」をつくる工事です。
コンクリートが固まったら形を保持しておく役割を終えるため解体されます。
型枠とは
型枠は以下のもので設置されます。
- 壁となる「せき板」
- せき板を支える「志保工」
- せき板と志保工を結合する締め付け金具
型枠は1㎡あたり重さ2トン以上の生のコンクリートが固まるまでの間、支え続けられる強度が必要になります。
型枠工事1:墨出し
基準線を引く
柱や壁の正確な位置を出すために「黒壺」という墨と糸を使った道具でコンクリートの床に直線の線を引きます。
墨を使って線を引くことから、この作業を墨出しと言います。
基準線の計測と使用する機器
また引いた線は「セオドライト」「トータルステーション」という機械を使って水平面や垂直面の角度を計測します。
セオドライトは水平面・垂直面の角度を測定することができる精密機器で、トータルステーションはセオドライトの機能に加えて距離を測る高波測距儀の機能も備えています。
型枠工事2:型枠組立て
角度と強度に注意して組み立て
図面通りの位置・形状でコンクリートを固める必要があるので、水平・垂直など角度を特に重点的に確認しながら型枠を組み立てていきます。
有資格者が指揮をとる
型枠作業はコンクリートの重みに耐えられる強固なつくりになるため、指揮とるのは「型枠志保工の組み立て等作業主任者」の国家資格を持っている技術者になります。
コンクリート打込み
点検と確認
型枠が完成したら、型枠の状態を点検しコンクリートによって崩れたりゆがんだりしないかを確認します。
コンクリートを流し込む
確認が済んだら生のコンクリートを型枠に打設していきます。コンクリートを打ち込む時にはパイプやホースなどを使って流し込まれます。
型枠の解体作業
型枠脱型
型枠解体作業は「型枠脱型」と言い、コンクリートが固まって必要なくなった型枠を解体していく作業になります。
型枠の解体を行う時には、型枠解体工以外の立ち入りは禁止になっています。
強度と安全が得られるまで待つ
型枠は生コンクリートが固まり、十分な強度・安全性があると判断されるまで解体してはいけません。
あまりにも解体を早くするとコンクリートにひびが入ったり変形したりすることがあるので、待つことが大切です。
型枠転用作業
型枠の資機材を再利用
型枠の転用とは、型枠工事に使用する資機材を他の型枠工事でも繰り返し使用することです。
せき板に使われる材料によって、転用できる回数や劣化のしやすさが変わってくるので、材料の特性も考慮しながらせき板を選びます。
型枠工事のまとめ
以上、型枠工事についてご説明しました。
型枠工事では、鉄筋工事やコンクリート工事、設備工事など様々な専門工事技術者と連携して行っているんですね。
はい、平行しながら行われるのでぜひ他の工事についても見てみてください。