鉄骨工事で溶接やボルトを使った接合の工程がありましたが、どんな接合方法があるんですか?またその接合方法それぞれの違いはなんですか?
ではこの記事では鉄骨工事の接合方法にについて詳しく見てみましょう。
鉄骨工事の「接合」をクローズアップ
クレーンを使って梁や柱として組み立てられる鉄骨工事。しかし鉄骨をせっかく組み立てても柱や梁同士で接合が行われなければ、簡単に崩れてしまいます。
そのため鉄骨工事では組み立て工程の中で鉄骨の接合が行われます。今回はその鉄骨を接合する方法についてクローズアップしてご紹介したいと思います。
鉄骨を接合する2つの方法
鉄骨を接合するには主に2つの方法があります。
- ボルトで行う接合
- 溶接で行う接合
それぞれの接合方法について方法や特徴をご紹介します。
ボルトで行う接合
ボルトによる接合はネジを使った固定の方法で、ボルト(ネジ)の他にナットやピンテール、ワッシャーなどを使って固定します。
ボルトの接合にも仮ボルトと本ボルト(高力ボルト)があり、それぞれに役割があります。
仮ボルト
仮ボルトでは鉄骨の組み立て作業の中で仮の接合を行います。鉄骨の組み立て作業では重くて大きな鉄骨をクレーンで吊し上げて組み立てるため、本ボルトほど時間をかけずに仮留めを行い組み立てを進めます。
仮ボルトは本ボルトに取り替えるまでの一時的な接合なので本ボルトよりも簡易的なボルトで、強度も本ボルトに比べると劣ります。
本ボルトは一度使用すると、ねじ山(ねじねじしてる部分)が痛んでしまい、本締めで正常な強度や摩擦力を発揮できなくなることがあるため、本締め以外で仮ボルトを使用してはいけません。
本ボルト
本ボルト(高力ボルト)は本締めを行うための強度と摩擦力が非常に高いボルトです。高力ボルトには高力六角ボルト、トルシア形高力ボルト、溶融亜鉛めっき高力ボルトなどがあります。
トルシア形高力ボルトの場合は、シャーレンチという専門の工具を使って作業に当たり、品質管理はピンテールの破断で確認します。
溶接で行う接合
鉄骨をボルトで締めたらさらに溶接で鉄骨の接合を行います。
溶接の方法
溶接作業では主に「アーク溶接」という方法が用いられます。
アーク溶接とは鉄骨と電極との間に発生した放電現象を利用したアーク溶接熱で接合部を溶接する方法で、トップ画像にもなっている花火のような火花が見える作業です。
溶接後は検査を行う
溶接後は欠陥や異常がないかを超音波深傷検査で検査し溶接に問題がないか確認します。