鉄骨工事で使われる「鉄骨」はどのようにつくられて工事現場に運ばれてくるんでしょうか?
鉄骨はあらかじめ鉄骨製作を行っている工場で加工されてから工事現場に運ばれてきます。この記事では鉄骨工事の前段階である鉄骨の製作についてお話したいと思います。
目次
鉄骨工事における「鉄骨」とは
鋼鉄製の骨組み部材
鉄骨工事で用いられる「鉄骨」とは、鉄を材料につくられた厚さ7mm以上の骨組み部材のことです。鉄骨の場合、鉄の中でも「鋼」という堅くて強い鉄材を使い製作します。
また6mm以下になると鉄骨ではなく鉄筋と呼ばれます。
鉄骨工事に必要な材料
鉄骨工事に必要な材料は
- 溶接用鋼材(鉄骨)
- 高力ボルト
- スタッド
- 溶接材料
などがあります。これらの部材は国家規格である「JIS規格品(日本工業規格)」または国土交通大臣の認定を受けた物を使用します。
鉄骨を製作する流れ手順
製作スケジュールを組む
まずは鉄骨製作を行う工場とゼネコン(工事現場の施工管理技術者)で鉄骨の大きさや取り付けに関することを決定し、鉄骨製作のスケジュールをたてます。
工作図をつくる
鉄骨をつくるために鉄骨をつくる業者が「工作図」という図面を作成します。工作図は「CAD」というコンピュータ支援設計を使って設計される図面で、設計者や施工者と相談しながら作図されます。
切断や加工を行う
鋼材を自動で指定した形に加工してくれる機器を利用して、溶接用鋼材がつくられます。鋼鉄の材料の切断や加工が行われ、鉄骨工事で使用できる骨組に形を変えていきます。
組み立てと溶接
切断などの加工ができたら組み立て固定するため接合部分を溶接します。
溶接ではおもに「アーク溶接」が用いられます。アーク溶接とは溶接方法の一つで空気中にある放電現象を利用した溶接方法で、鉄骨以外の様々な金属の溶接にも使われています。
この溶接作業は国家資格を持った技能者が行う必要があります。
検査を行って現場へ
現場に鉄骨を運ぶ前に検査が行われます。
施工現場の管理を行うゼネコン(施工管理技術者)が発注した専門業者(資格を持った技能者)が製作した鉄骨の傷や外観の検査を行います。
部材の受け入れが可能かを確認ができ、検査が通ったら工事現場に持って行くことができます。
建築に使用される鉄骨まとめ
鉄骨工事は、このように製作された鉄材を使用して組み立てられていたことが分かっていただけたでしょうか。
鉄骨工事について知りたい方は下の記事から鉄骨工事の流れや手順などを見ることができます。