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コンテナハウスの建築基準法|違法建築とみなされないためには

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コンテナハウスの法律について調べられている方の大半は「中古コンテナが違法建築になるか、ならないか」という点について調べられているようです。

まず結論から申し上げますと「中古コンテナは建築確認申請が通らない」と考えてください。

都市計画区域外では条件を満たしていれば建築確認申請が不要となりますが、建築基準法は守らなくてはいけません。

また一部地域では建築確認申請が通る地区もありますが、多くの地域では不法建築として勧告、撤去の方向で進んでいるため、全国的にもこうした流れは進んでいくと考えられ、実際にこれから建築しようとされている方は中古コンテナを利用したコンテナハウスの建築は辞めた方がいいと考えています。

こういった理由からCONTAINER WORKSでは中古コンテナを利用したコンテナハウスの建築は行っていません。

本記事では、コンテナハウスを建築するにあたり、守らなければならない法律についてお話しします。

中古コンテナの扱いについては下記記事を参考にしてください。

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最終更新日:2023.08.02

コンテナハウスは建築物の扱い

国土交通省の通知「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」によると、コンテナハウスは建築物としてみなされます。そのため、コンテナハウスだから必要な法律というものはなく、一般的な建築物を建築するために必要な法律は全て守る必要があります。

近年、コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する例等が見受けられますが、このような随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当します。

このため、一般に、建築基準法に基づく確認申請を行い、確認済証の交付を受けないと設置できませんので、ご留意ください。

また、すでに設置されているコンテナを利用した建築物について、建築基準法に適合しない事項がある場合には、その所在地を管轄する特定行政庁より、違反建築物として扱われ、是正指導や是正命令の対象となりますので、ご留意ください。

詳しくは、以下の関係通知等をご参照いただくほか、所在地を管轄する特定行政庁にお問い合わせ願います。

引用:コンテナを利用した建築物の取扱いについて

上記の通り、コンテナを住居または倉庫として利用する場合は法律でいうところの「建築基準法第2条第1号」が適応され、コンテナハウスは一般的な建築物と全く同じ扱いとされています。

定義としては「随時かつ任意に移動できないコンテナ」に該当されるため、どんな用途で利用しようが、いつでも任意に動かせることができなければ土地に定着したものであり「建築物」に該当するとの見解を明示しています。

建築基準法が適応され、建築確認申請が必要

建築物の扱いであれば、建築基準法が適応されるのは当然のこと。先に説明した通り、コンテナハウス=建築物の扱いのため、建築基準法に基づく確認申請を行い、確認済証の交付を受けないと設置することはできません。

違反した場合、違法建築として所在地管轄の特定行政庁から措置命令や場合によっては、撤去命令や使用禁止などの処罰を受けることがあります。

コンテナハウスに中古コンテナを使用できない理由

住居、店舗などに使用するコンテナは、建築基準法37条「柱やはり等の構造耐力上主要な部分に用いるコンクリートは、 JIS規格に適合するか、国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない」ものとされているため、日本工業規格(JIS)または日本農林規格(JAS)に当てはめる必要があります。

ISO海洋輸送用の中古コンテナは、JIS鋼材が使われていないため、中古コンテナを利用した建築物は建築確認申請も通りませんし「違法建築」とみなされてしまいます。

中古コンテナを使用するためには建築確認申請が通るように改修を行うか、周りを建築確認申請を通過する建物で覆い、その中に設置する方法のどちらかになります。

ISO海洋輸送用コンテナが建築基準法に適合されない理由としては3つあります。

  • 窓など、開口部を設けると強度が落ちる
  • 建築基準法が求めるJIS鋼材で作られていない
  • 国の基準に合わせたJIS認定工場で溶接が行われていない

また、ISO海洋輸送用コンテナは壁全体で建物を支えている構造になっているため、ドア・窓などの開口部を設けると強度が急激に落ちるため建築基準法をクリアすることができません。

仮にJIS鋼を溶接し、構造強化、建築基準法をクリアする方法も技術的に可能ですが、溶接作業などの費用が大きくかかり、そもそものコンテナのメリットであるコスト面が失われるため中古での利用は私たちは推奨しておりません。

CONTAINER WORKSが取り扱うコンテナは建築基準法に準拠し安全性を確保したものです。制作工場での自主検査については100%の抜き取り率をお約束します。
また、工場での第三者検査については、工事管理者様のご指定に合わせてご対応いたします。
その他、高品質のコンテナを製造するために以下のような、さまざまな検査、確認を実施。

  • UT検査
  • 工場での仮組み検査
  • 製造の中間立ち会い検査
  • 工場出荷前の最終検査

1台づつオーダーメイドでの制作となっております。

以前に建築したもので建築基準法に適合していないもの

すでに設置されたコンテナを利用した建築物であっても、建築基準法に適合しない場合は「違法建築」となります。

平成26年には「コンテナを利用した建築物に係る違反対策の徹底について(PDFファイル)」(平成26年12月26日付け国住安第5号) という通知が行われています。

コンテナを利用した建築物に係る違反対策の徹底を行っている以上、今現在もし一部地域で建築することができたとしても、近い将来違法建築として是正指導、是正勧告がされる可能性が高いと考えられます。

「都市計画地域外の4号建築なら建築確認申請はいらない」という考え方

建築確認申請がいらない地域として都市計画地域外での建築があります。

建築基準法第6条第1項第4号」で都市計画地域外では木造以外の建物の場合は「平屋で200㎡以下の建物」で建築士が設計した建築物は建築確認申請が不要となっていますが、建築基準法は守らなくてはいけないため、JIS規格に則った構造であるかなどの提示が求められることがあります。

このため、建築確認申請がいらないから中古コンテナを使えるということにはなりません。

仮設の場合は別途必要な法律があります

仮設を行うためには建築確認申請とは別に仮設申請も行わなくてはいけません。

仮設だからといって簡単に建てていいというわけではなく、むしろ仮設の方が申請が多くなっています。

確認が必要な法律は「建築基準法第85条(仮設建築物に対する制限の緩和)」があり、どんなものでも仮設で通せるわけでもなければ、仮設でしか通せない場所もあります。

こうして状況に合わせて仮設申請を通した後に、仮設建築物としての建築確認申請を通すことになります。

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コンテナワークス

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