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コンテナハウスのコンテナは「建築用」コンテナ
コンテナハウスといわれればコンテナでできたショップや家、別荘を思い浮かべると思います。コンテナを建築物として使うので、無骨でおしゃれな、時に爽やかな外観を持ち、ローコスト低価格で出来上がります。
海洋輸送用コンテナと建築用コンテナは違う
しかし一般の方が思い浮かべるコンテナは海上輸送用コンテナ(ISO海洋輸送用コンテナ)ではないでしょうか。港に高く積まれているカラフルなコンテナ。タンカーに載せて世界中を駆け巡るコンテナです。
しかしこのISO海洋輸送用コンテナは日本の建築基準をクリアしていないので、構造的に建築に使うことができません。
つまり建築で使われているコンテナは基本的に建築用コンテナであり、ISO海洋輸送用コンテナではありません。一部建築物としてISO海洋輸送用コンテナとして使われていることがありますが、これは竣工検査を受けていないなど他の理由がある場合がありますので、必ずしも法令順守といえるものばかりではないのも事実です。
ISO海洋輸送コンテナは建築基準法に適合していない3つの理由
1. 窓などの開口部をあけると極度に強度が落ちる
ISO海洋輸送用コンテナは荷物満載で何段にも積み上げられ、世界中の海を何往復しています。それだけ強度が証明されているともいえます。しかしこのISO海洋輸送用コンテナの強さは「鉄の壁でできた構造」だからこその強さで、壁がなくなると極度に強度を失ってしまいます。このため建築用としてISO海洋輸送用コンテナを使うことは建築基準法に適合していません。
2. 建築基準法が求めるJIS鋼材で造られていない
ISO海洋輸送用コンテナの構造材がJIS鋼材で造られていなければ建築基準法に適合しません。
3. 国の基準に合わせたJIS認定工場で溶接が行われていなければならない
例えJIS鋼材で造られていたとしても、国が求めた基準に合わせたJIS認定工場で溶接が行われていなければいけません。日本の建築用コンテナ工場の場合、コストが1.5倍以上と大幅に上昇してしまいます。このため、国外でJIS認定工場を探さなくてはいけません。これが弊社の調査では、数社しか見つかっていません。
建築コンテナは完全オリジナルコンテナといってもいい
つまりJIS認定工場で溶接が行われているJIS鋼材で造られた建築基準法に則った建築用コンテナは非常に限られた環境でしか作られていないため、手に入る状況も限られているということになります。
建築コンテナはISO海洋輸送用コンテナを流用したものではなく、オリジナルで造られたコンテナなのです。
なぜ建築コンテナをISO海洋輸送用コンテナと同じ寸法で作っているのか
ここまでISO海洋輸送用コンテナと建築コンテナが違うなら、なぜわざわざ同じ寸法で同じ形に作る必要があるのかという疑問がわいてきます。しかしここがコンテナハウスの大きな魅力のひとつ。
ISO海洋輸送用コンテナの物流システムの歴史は深く、世界標準化したことで世界全国どこでも輸送することができます。
建築用コンテナをISO海洋輸送用コンテナと同じ寸法で作ることで、この物流システムを利用することができる
ISO海洋輸送用コンテナと寸法を合わせたことで、建築用コンテナを物流の心配なく世界中どこでも輸送することができるという最大のメリットが生まれました。
建築用コンテナの寸法は20フィートか40フィートで高さは2m89cm6mm
ISO海洋輸送用コンテナで最も使われている寸法は、横幅は全て2438mmで、長さと高さが二種類あります。
- 長さ20フィート・高さ2896
- 長さ20フィート・高さ2596
- 長さ40フィート・高さ2896
- 長さ40フィート・高さ2596
建築用で考えた場合には少しでも高さがあった方がいいので、高さは2896mmを採用します。
このため、建築用コンテナとして最も使われるサイズは以下の二種類となります。
- 長さ20フィート・高さ2896・幅2438
- 長さ40フィート・高さ2896・幅2438
建築用コンテナとは
- 建築基準法で求められたJIS鋼材で造られている
- JIS認定工場で溶接が行われている
- 長さは20フィートと40フィートの二種類がある
- ISO海洋輸送用コンテナとは別物
建築用コンテナのスケルトン販売もご対応いたしております。
コンテナワークスでは、設計事務所様、施工会社様、DIYでコンテナハウスを作りたいエンドユーザー様などに向けて、建築用コンテナのスケルトン販売もご対応致しております。
もちろん、日本の建築法に準拠したJIS鋼材を使用した建築用コンテナとなります。
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監修者
コンテナワークス/CONTAINER WORKS
コンテナハウス企画・製造・販売に関わり、「見慣れたものではなく、面白いものをつくることができる」ことを知ってほしいと、コンテナワークスから情報発信していくことになりました。