医療用コンテナや、被災地での仮設住宅など、昨今コンテナハウスの活躍が注目されています。
その中でも、現在最も注目されている施設として、コンテナホテルが挙げられるのではないでしょうか。
元々、海上輸送に使用されているコンテナをモチーフとした堅牢性や、他の一般住宅に比べれば移動が容易であるという特性は、コンテナハウスの魅力の一つです。
建築用コンテナをホテルとして活用する利点は他にもあります。
目次
施工費の面での利点
ホテルといえば、共通の間取りの部屋が沢山あるのが普通です。
20フィートコンテナを1部屋として考えた場合、同じ形状の建築用コンテナを沢山作る事になります。
一般的に建築用コンテナは、その建築物に合わせて都度製作します。
その為、同じ形状のコンテナを複数作る場合、使用する鋼材も同時に用意できる為、材料費を抑えられる場合があります。
また、製作工場でも、製作過程の予定を一番無駄のない形で組める為、全体的に製作コストを抑えられる場合があります。
こういった理由から、同じ形状のコンテナを沢山作るケースが多いコンテナホテルの場合、施工コスト面での利点が多く生じる可能性があります。
施工期間の面での利点
既に組みあがった躯体を現場に輸送し、設置するだけの建築用コンテナは、工期を短くする事が出来ます。
その為、ホテルのような大規模な施設であった場合も、20FTコンテナを各ユニットとして設置するだけなので、大幅に工期を短くする事が期待できます。
また、サッシや玄関ドアの施工なども、既に開けられた開口部分に設置するだけなので、通常の鉄骨工事に比べて施工の手間が変わらない、もしくは通常より軽減できる可能性もあります。
コンテナホテルを移動可能にする方法とは??
昨今、通常時はホテルとして運用しているコンテナハウスを「災害地での医療施設として」、または「仮設住宅として移設する」というニュースを目にする事があります。
確かに一般的な住宅に比べれば移動性の高いコンテナハウスですが、その特性を最大限活用する為には知っておかなければいけない情報もあります。
建築物としてのコンテナハウスなのか?トレーラーハウスなのか?
宿泊施設としてコンテナを活用している施設の中には、以下の2通りのパターンがあります。
- 建築物としてのコンテナハウスをホテルとしている場合
- コンテナを載せたトレーラーをホテルとしている場合
コンテナハウスとトレーラーハウスの違いについては以下の記事で詳しく説明しています。
トレーラーハウスの場合には、給排水や電気などのライフライン接続を簡易的に出来る事が条件になっている為、いざ移動させる場合は、比較的簡単に移動が可能です。
しかし、建築物としてのコンテナをコンテナホテルとして運用する場合、移動する可能性も考えた場合には、予め施工時に、そのように対応する必要があります。
トレーラーハウス、コンテナハウスそれぞれの利点については、上記の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。
建築物としてのコンテナホテルを移動可能にさせる方法とは??
では、コンテナホテルを移動可能にさせる為には、実際どのような方法があるのでしょうか?
その方法とは、トレーラーハウスのように、電気、給排水といったライフラインを、なるべく簡単に取り外しできるようにする事です。
コンテナハウスとトレーラーハウスには共通点が沢山あります。
その為、トレーラーハウスのノウハウはコンテナハウスにもそのまま使えるケースが多々あります。
まとめ
施工時の工夫によって、コンテナホテルは大きな可能性が生まれます。
コンテナホテルを移動できる建物として運用する場合には、施工前からそれを前提に計画する必要があります。
ただし、一般住宅に比べて、そのハードルは限りなく低いですし、その特徴的な外観と合わせて、災害時の活用など、これからも注目を浴びる事でしょう。
日本全国で、自然災害の可能性が増えてしまっています。
コンテナホテルが、有事の際には活躍してくれる可能性は、益々広がっています。