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コンテナホテルとは?災害時にも活躍する新たな宿泊施設のカタチ

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医療用コンテナの普及や被災地での仮設住宅など、昨今コンテナハウスの緊急時・災害時における活躍が注目されています。中でも東京オリンピックの影響でよく聞くようになったのが「コンテナホテル」です。今回は、今後ますます普及していくであろうコンテナホテルのメリットと活用可能性について解説します。

コンテナホテルとは

コンテナホテルとは、その名の通り建築用コンテナを使って作られた宿泊施設のことです。海上輸送用のコンテナを再利用して作るという場合もあるようですが、コンテナを地面に設置させる場合は建築基準法を満たすように改造しなければならず、中古コンテナをそのまま居住用に改造することは違法建築にあたります。

コンテナは元々海上輸送用に使用されていたという経緯があり、堅牢性や移動が容易、積み上げたり繋げたりもしやすいという特徴があります。この「移動が容易」という特徴が、建築用コンテナをホテルとして活用する上での大きな利点となります。

コンテナには国際規格があり、このうち20フィートコンテナのサイズがちょうどワンルームくらいの大きさになります。内装は一般的な住宅と遜色なく仕上げることが可能です。規格が決まっているからこそ、同一の設備での大量生産が容易な点もホテル利用との相性が良い理由のひとつでしょう。

コンテナホテルの活用可能性

災害時の仮設住宅として

コンテナホテルは、災害時の緊急避難所や仮設住宅としての活躍が期待されています。普段は別の場所に待機しておいて、いざというときに迅速に移動し災害場所へ駆けつけることができます。建築用コンテナはラーメン構造で非常に堅牢なつくりになっているため、安全性や入居者の安心という面でも災害時活用が向いていると言えます。

空きスペース活用のアイデアとして

コンテナハウス自体、他の建築物に比べて移動しやすいという特徴を持っています。トレーラー(台車)に乗せて使用する場合は牽引車さえあればさらに容易な移動が可能です。そのため、ちょっとした空きスペースや期間限定で宿泊施設を運用したいという場合にも柔軟に活用することができます。

SDGsを意識しての積極活用

建築用コンテナが注目されている理由のひとつに「持続可能な資源である」という点が挙げられます。再利用しやすく太陽光パネルの設置やエコフレンドリーな設備との相性も良いコンテナホテルは、今後個人法人問わず多くの場面で活用されるようになるのではないでしょうか。

施工面でのメリット

施工費用が安く済む

ホテルといえば、共通の間取りの部屋が沢山あるのが普通です。20フィートコンテナを1部屋として考えた場合、同じ形状の建築用コンテナを沢山作る事になります。一般的に建築用コンテナは、その建築物に合わせて都度製作しますが、同じ形状のコンテナを複数作る場合は使用する鋼材も同時に用意できるため、材料費を抑えられます。

また、製作工場においても最も無駄のない製作スケジュールを組めるため、全体的に製作コストを抑えられます。こういった理由から、コンテナホテルは施工コスト面での利点が多いと言えるでしょう。

施工期間が比較的短い

既に組みあがった躯体を現場に輸送し設置するだけの建築用コンテナは、他の建築物に比べて工期が短いというメリットがあります。ホテルのような大規模な施設であった場合も、20フィートコンテナを各ユニットとして設置するだけなので大幅な工期短縮が期待できます。

また、サッシや玄関ドアの施工なども、既に開けられた開口部分に設置するだけなので、通常の鉄骨工事に比べて施工の手間が変わらない、もしくは通常より軽減できる可能性もあります。

コンテナホテルはトレーラーハウス?それとも建築物?

コンテナホテルには主に以下の2通りのパターンが考えられます。

  • 建築物としてのコンテナハウスをホテルとしている場合
  • コンテナを載せたトレーラーをホテルとしている場合

災害時にすぐに駆けつける前提であれば、おそらくトレーラーハウスをホテル利用するパターンでしょう。トレーラーハウスは、給排水や電気などのライフライン接続を簡易的に出来る事が条件になっており、法律上建築物ではありません。そのため、いざというとき比較的簡単に移動が可能です。

しかし、建築物としてのコンテナをコンテナホテルとして運用する場合は、急な移動はむずかしくなってきます。移動を前提としつつ建築物としてのコンテナホテルを建てる場合は、あらかじめ施工時によく考えて対応する必要があります。

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最終更新日:2023.08.02

トレーラーハウス、コンテナハウスそれぞれの利点については、上記の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。

では、建築物であるコンテナホテルを移動可能にさせるためにはどのような方法が考えられるでしょうか?その方法とは、トレーラーハウスのように電気、給排水といったライフラインをなるべく簡単に取り外しできるようにすることです。

コンテナハウスとトレーラーハウスには共通点が沢山あります。トレーラーハウスのノウハウはコンテナハウスにもそのまま使えるケースが多々あり、そのひとつがコンテナホテルだと言えるでしょう。

まとめ

施工時の工夫によって、コンテナホテルは大きな可能性が生まれます。コンテナホテルを移動できる建物として運用する場合、施工前からそれを前提に計画する必要があります。ただし、一般住宅に比べて、そのハードルは限りなく低いですし、その特徴的な外観と合わせて、コンテナハウスが宿泊施設のひとつとして活躍する可能性はこれからも広がっていくことでしょう。

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