コンテナハウスとトレーラーハウスのコストを比較してみた
コンテナハウス投資をはじめ、最近話題になり始めた投資に興味はあるけれど、事例が少ないだけに実際どの程度の導入費用やランニングコストがかかるのかわからず、気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、具体的な情報が入手しにくいコンテナハウス投資、トレーラーハウス投資の導入費用について、事例をもとに支出を比較してみたいと思います。
これらの投資を検討している方は、実際の情報なのでぜひ参考にしてください。
目次
コンテナハウス投資にかかる費用
コンテナハウスというと、港にある輸送用のコンテナをイメージするかもしれませんが、最近の居住用物件に使用するコンテナは住居の規格に合うように工場で別途製作されたものを使用するのが一般的です。
仕様によりますが、具体的にかかる費用の一例は以下の通りです。
コンテナ代 150万円(※塗装・運搬費込み)
【設置工事】合計130万円
- 基礎工事 80万円
- 仮設工事 15万円
- 建て方工事 35万円
【内装】合計210万円
- 電気 57万円
- サッシ、玄関 75万円
- 断熱 28万円(50㎜断熱想定)
- 壁、床、天井 50万円
【水回り】
- 給水配管工事 65万円(一棟あたり)
- 給湯配管工事 45万円(一棟あたり・給湯機器込み)
- 排水工事 30万円(一棟あたり)
- 浄化槽 60万円(一棟あたり)※浄化槽は一つで2棟分を想定
【その他】
- 設計、建築確認申請費 70万円
総合計 760万円(一棟あたり)
コンテナハウスにかかる税金について
土地に定着するコンテナハウスは、重量鉄骨扱いとなるのが一般的で不動産取得税、登録免許税、固定資産税などの税金が課税されることになります。
不動産取得税
コンテナハウスを売買、新築、増改築、贈与、交換等した際に課税される税金で、税額は次の計算式で求めます。
不動産取得税=固定資産税評価額×4%(標準税率)
※ただし、特例が適用される期間は税率が異なります。
登録免許税
建築物の登記をする時にかかる税金で、司法書士費用などと一緒に支払うケースが一般的です。
登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
固定資産税
毎年1月1日時点でのコンテナハウスの所有者に対して課税される税金で、地域にもよりますがおおむね6月前後にコンテナハウスを設置している住所を管轄している自治体から納付書が届きます。
固定資産税=固定資産税評価額×1.4%
コンテナハウスの固定資産税評価額の目安
固定資産税評価額とは課税する際の標準となる価額で、時価よりも低く設定されます。コンテナハウスを新築した場合の目安としては、建設費用の60〜70%程度で考えておくとよいでしょう。
このようにコンテナハウスは、コンテナを組み合わせて建てているとはいえ、税金の課税関係については通常の賃貸アパートと同じですが、かかるコストは大幅に低く抑えられます。
トレーラーハウス投資にかかる費用
トレーラーハウスはコンテナハウスとは違い、移動できれば建築物ではなく「車両」としての扱いになります。
よって、不動産取得税、登録免許税、固定資産税といった税金はかかりませんが、代わりに車両に関連する税金が課税される点に注意が必要です。
主な費用についてご紹介します。
コンテナ代 150万円(※塗装・運搬費込み)
【車両関係費】
- 車台 1台130万円(10台まとめて頼んだ場合))
- 本体固定金具 11万円
- 車検取得準備費 7万5千円(予備車検、書類手続きなど)
- 車検取得法規諸費用 9万円
- 運搬費 15万円
- コンテナを車台に設置する工事 35万円
【内装工事費】210万円
- 電気 57万円
- サッシ・、玄関 75万円
- 断熱 28万円(50㎜断熱想定)
- 壁、床、天井 50万円
総合計 567.5万円(一棟あたり)
※宿泊施設として運用する場合、トレーラーハウス設置申請費として、18万円(施設全体で)別途発生致します。
※トイレ、キッチンなどの給排水設備を追加した場合には、以下の費用も発生致します。
【水回り】
- 給水配管工事 65万円(一棟あたり)
- 給湯配管工事 45万円(一棟あたり・給湯機器込み)
- 排水工事 30万円(一棟あたり)
- 浄化槽 60万円(一棟あたり)※浄化槽は一つで2棟分を想定
ただし、配管接続等により車両が随時かつ任意に移動できなくなる場合は、車両ではなく建築物としての取り扱いを受ける可能性があります。詳しくは事前に事業者等に確認しましょう。
車両にかかる税金について
トレーラーハウスを購入すると、以下の税金がかかります。
- 自動車税
車両の所有者に課税される税金で、車の排気量によって金額が異なります。
- 自動車重量税
車両の重さに対して課税される税金です。
なお、保安基準第2条の制限内のトレーラーハウスは被牽引車となるので、車検を通す必要があります。
一方で制限を超えるトレーラーハウスについては、基準緩和の認定を受けた上で特殊車両通行許可を取得しなければなりません。
この場合、車検がなければ自動車税はかからず償却資産税の対象となります。
コンテナハウスとトレーラーハウスの違い
このように導入費用を比較してみると、土地に定着させて配管等も構築する必要があることからコンテナハウスの方のコストがかかる印象です。
ただ、その分賃料がとれるのであれば結局は利回りの問題になるので、コストだけではなく予想収益なども含めて比較検討する必要があります。
その他オプションの導入にかかる費用
先ほどご紹介した基本工事に加えて、オプションで太陽光パネルや芝生などの付帯設備を設置することも可能です。費用の目安としては、以下の通りです。
- 太陽光 240万円(パネル120万円+蓄電池120万円 ※工事費別・参考価格)
- 芝一式 45万円(約30坪を想定・材料費のみ)
- 道線 30万円(砂利・材料費のみ)
- 井戸、浄水設備 450万円(一式)
- ウッドデッキ 60万円(一棟あたり)
コンテナハウスやトレーラーハウスの導入費用が比較的割安なのに比べ、これらのオプションにかかる費用は割高な部分もありますので、利回りをシミュレーションしつつ慎重に判断することをおすすめします。
まとめ
今回はコンテナハウスとトレーラーハウスの、導入時にかかるコストについて比較してみました。
まとめると、導入金額でいうと土地に定着する分コンテナハウスの方が割高になりますが、その分高い家賃がとれる可能性もあるので利回りと総合的に判断することが大切になります。
また、原則としてコンテナハウスは建築物、トレーラーハウスは車両としての扱いを受けることから、税金の取り扱いの違いには注意しましょう。